戦前の振袖
07/21
構図が大胆でしっかりしている、絢爛豪華
な振袖というよりはむしろ、配色・模様の
付け方が大変江戸前な振袖。
(昭和10年頃の制作)
近年の模様付けでは下前(きものを着ると
上前の下に隠れて見えなくなる部分)には
この振袖の様に多くの柄は付けなくなりま
した。
水が上前(全体写真左下)から左肩(全体
写真右上)迄上がっている図案は昔の小袖
の手法を取ったと思われます
白色と桜色の満開の桜、そのうちいくつか
の花びらに白・桜色・桃色・金の4色の糸 で
刺繍してアクセントを付けています。
桜の枝には短冊が付けられ、中には金や銀
の糸で駒縫い(縁取り)された短冊もあり
ます。
短冊の中には松、柳、眼鏡蝶、鳳凰、霞、
切り箔、水の流れ、七宝等模様が描かれて
います。
霞には金箔や銀箔も使われています。水色
の大きな流水には銀泥が使われていますが、
長い時間が経っているせいで銀泥は焼けて
います。
現在では銀の変色を防ぐためにアルミニュ
ウムが使われる場合があります。(焼ける
のは本物の銀という事です)
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