大正時代の祝い着
01/08

大正時代にお収めした祝い着をお客様から
お借り致しました
お客様のお祖母様がお母様のために誂えら
れた祝い着です
お母様は大正15年1月のお生まれ、今から
ちょうど88年前ですね
ちなみに大正15年は1月1日から12月25日
迄、12月31日までの6日間が昭和元年です
祝い着
疋田柄を入れた檜扇には3色の紐、それを
中心に配置、地色を染分け、桜・梅・菊・ 橘・
紅葉・藤・松・牡丹を散りばめられています
松・梅・紅葉・枝折戸・橋は地色を反転させた
色使い、紋は加賀紋袖口は薄い桃色
祖父(福田屋千吉)の仕事を見て、父は「いい
柄だ」と関心しつつも「袖口は朱色にするな」
と言っていました。ライバル心ですかね。
この祝い着は戦後生まれのお客様の祝い着
として使われました
更に、お嬢様の祝い着としても引き継いで
頂きました
お母様の写真もお借りしました
光村天然色寫眞 とありました
着物は家族の思い出を時間を超えて伝えて
くれるものなんですね
お納めした着物がこの様に親子3代に渡り
大切にして頂けるとは呉服屋冥利に尽きる
というものです
この頃の福田屋は
大正12年9月1日の関東大震災で焼失して
日本橋区新和泉町、通称・玄冶店(げんや
だな、今の人形町)から千代田区の永田町
に移っています
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